どうも、学生で米国株式投資をしているrapsodyです。投資をすることの大切さを日本人に知って欲しくて記事を書いてますので、同じ思いの方はSNSなどで拡散していただけると助かります。今回は、究極の課題であるどのセクター(業界)の株を買えば儲かるのかという話です。結論として、ヘルスケアと生活必需品、エネルギーのセクターを買えば儲かる確率が高いです。
しかし、矛盾しているようですが、未来を予測しどのセクターが儲かるかを断言することは誰にもできません。が、人間はいつの時代も、過去を参考にして生きてきました。そこで、今回は、著ジェレミーシーゲルの「株式投資の未来」という本より、過去や歴史からどのセクターを買えば儲かるのか、おすすめのセクターについて、セクター別成長率とリターンの関係より紐解いていきます。
まず、1999年にGICS(世界の産業分類基準)が定められ、10個のセクターに分類されました。①素材、②資本財、③エネルギー、④公共事業、⑤電気通信サービス、⑥一般消費財、⑦生活必需品、⑧ヘルスケア、⑨金融、⑩情報技術です。ただし、現在では、不動産が追加されたり、 電気通信サービスがコミュニケーション・サービスに変更されたり、若干の名前が変わったりと多少の変更がありますが、本質的なところは変わっていません。
そして、どのセクターが儲かるのか、正確にはどのセクターが過去約50年で儲かったのかについてですが、各セクターの成長率とリターンを順位付けてみました。
1957~2003年までのセクター別成長率とリターン率
順位 | 成長率 | リターン率 |
1位 | 金融 | ヘルスケア |
2位 | ハイテク | 生活必需品 |
3位 | ヘルスケア | ハイテク |
4位 | 生活必需品 | エネルギー |
5位 | 資本財 | 一般消費財 |
6位 | 一般消費財 | 金融 |
7位 | 電気通信 | 資本財 |
8位 | 公益事業 | 電気通信 |
9位 | エネルギー | 公益事業 |
10位 | 素材 | 素材 |
この結果から、過去約50年で最もリターン率が高かったのは、ヘルスケアセクターで、次にリターンが良かったのが、生活必需品ということが分かります。一方で、成長率で最も良かった金融は、リターン率では、6位と沈んでいることが分かります。そして、ちなみに成長率が2位、成長率では3位のハイテクセクターでは、「ITの巨人と呼ばれた」IBMを抜かせば、リターン率は5位まで落ち、市場平均に届きませんでした。主な理由や原因について見ていきます。
まず、エネルギーセクターについてですが、エネルギーセクターは、成長率の面では、9位にも関わらず、リターン率では、4位でした。この要因としては、エネルギーセクターのメインである、石油会社は本業に集中し、コストギリギリまで削減して石油を掘ることにより、株主に配当の形で利益を還元したからです。しかも、基本的に投資家の期待が低いので常に株価(バリュエーション)が低いかつ、高配当が組み合わさってリターンが大きくなりました。
続いて、みんな大好きハイテクセクターについてですが、ご存知の通り、20世紀半ばから需要を伸ばしていき、現時価総額ランキングトップ3も占めるという、21世紀を引っ張っているセクターですが、成長率では、2位と奮闘したものの、リターン率では、IBMを抜かせば5位と芳しくありませんでした。なぜなら、ハイテク株は、基本的に常に期待されているので平均PERは高く、高値でつかまされる可能性が高いです。その結果、投資家が手にするリターンは期待はずれでした。
また、金融セクターは成長率では、1位でしたが、その要員として1957年当初は、大手銘柄が指数に含まれていなかったが、2003年時では含まれたことが挙げられる。また、新商品などが次々に発売され、業界の競争が常に激しいことから、リターン率がよろしくありませんでした。また、ヘルスケアセクターは、人口増加や高齢化に伴い、高いリターンを記録しています。このセクターは、人口増加トレンドを追っていけば、リターンも自ずとそれに従うのではないかと思います。
最後に、一般消費財と生活必需品セクターですが、一般消費財セクターと比べ、生活必需品セクターは、成長率もリターン率も良い成績を残しました。そもそも、一般消費財とは、生活に必要ではないモノのことで、例えば、外食、自動車、娯楽が入ります。一方生活必需品セクターは、それがなくては生活が成り立たない製品のことをいい、売り上げが景気変動に左右されにくいです。例えば、食品や飲料、石鹸、トイレ用品などが挙げられます。しかし、なぜ経済が発展し、必需品以外のものを買える世の中になったのに生活必需品セクターが一般消費財セクターを上回ったのでしょうか?それは、一般消費財セクターは、あくまで人々にとってプラスαな価値を提供するセクターであり、常に消費者の心を飽きさせず新商品を世の中に出す必要があります。それは、簡単ではなく、消費者の期待に答えるのは大変です。一方で、生活必需品セクターは、高い品質と知名度を守っていれば、信頼を獲得でき、事業を拡大させることができます。よって、投資家にも利益を還元できるのです。
なお、株について勉強したいという方は、ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」がおすすめです。僕もこの本を読んで、米国株式投資や長期投資、歴史から学ぶ資産形成の方法について学んでいます。これを読まければ、大きく損をしていたはずです。
若いうちから資産形成を始めることが、本当に大切です。興味のある方はぜひ。
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まとめ
この結果から、セクターの成長率の高さは、必ずしも高リターンを意味せず、むしろ注目度の高いセクターは、期待が高く、それにつられて株価も高くなるので、リターンは押し下げられることがわかります。株の基本は、安く買って、高く売ることです。よって、この先の未来は誰にも分かりませんが、少なくとも、過去50年で長期的な勝ち組になった投資家は、ヘルスケア、生活必需品、エネルギーのセクターに投資した人たちでした。
最後まで、ありがとうございました。